作文課題を
正しく読む手順
1.まずは課題文のタイトルをチェックする
何を説明するための書籍・資料なのか。それを確認しないまま、読み始めてはいけません。思い込みで読み進めることにつながりかねません。
2.線を引きながら課題文を読む
線は、『重要そうなところに引く』のではありません。後で読み返す際に読み返しやすいように、あるいは、よくわからなかった部分を、後で検討できるように線を引いておくのです。
3.頭の中で、30字程度で要約する
その課題文に書かれていたこと、著者が訴えたかったことはなんでしょうか。それを頭の中で30~50字程度で要約しましょう。
なお、整理しきれなければ、実際に30~50字程度の要約にしてみても良いと思います。これが整理しきれていないのに、作文の答案を書き始めてはいけません。
身につけておきたい
作文課題の分析スキル
0.はじめに
ここの『作文の課題の考え方』は、非常に難しい内容となります。これは、流し読みするような内容にはなっていません。もし読むのであれば、きちんと理解するつもりで読んでみてもらいたいと思います。
1.課題には大きく分けて2種類ある
- 意見を自由に書いていいもの
- 複数の案から選んで書くもの
前者は、例えば、『修学旅行にどこに行きたいか』というように、自由に答えてよい課題です。後者は、例えば、『北海道と沖縄、どっちに行きたいか』というような、案を選ばせる課題です。
まれに、『北海道と沖縄、もしくは自分の好きなところ』というような課題もあります。それでも基本的には、『北海道と沖縄で検討することを求められている』と考えるべきです。そこに反抗する以上、正当で合理的な、かなり強力な理由付けが求められると考えた方が良いでしょう。
また、『意見を自由に書いていい』ように見えても、実は特定の考え方について書かなければならない場合があります。このような課題については、後述する『3.『価値観』『問題意識』等を正確に理解する』にて、ご紹介します。
2.『価値観の対立』と『対立軸』を常に意識する
ここでも、『修学旅行』で考えてみましょう。
『北海道と沖縄、どっちに行きたいか』という『価値観の対立』があったとします。作文を書き慣れていない人は、自分の直観に合わせて、『沖縄』『北海道』と考えて、書き始めてしまうかもしれません。
しかし、良い作文を書くためには、そこで一歩立ち止まる必要があります。大切なことは、何が『対立軸』になっているのかということです。
例えば、『自分たちの地元では食べられない、珍しい食べ物を食べられる』ということが『対立軸(=議論のテーマ)』になっていたら、結局、『沖縄』と『北海道』ではなく、『沖縄の料理』と『北海道の料理』に絞って、作文を構成する必要があるのです。
3.『価値観』『問題意識』等を正確に理解する
これは、『2.『価値観の対立』と『対立軸』を常に意識する』よりも、さらに難しい話になります。
例えば課題文が、ずっと、『自分たちの地元では食べられない、珍しい食べ物を食べられる』という『対立軸』で書かれていたとします。しかし、ある一文で、『果たしてこの基準が正しいのか』というような『問題意識』が示されたら、書くべき内容が大きく変わります。
『自分たちの地元では食べられない、珍しい食べ物を食べられる』という『対立軸』が、正しいのか、正しくないのか。もし、正しくないとしたら、『どういう『対立軸』であるべきか』について、作文を書かなければならないのです。